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DANCE@TALK 長谷川達也

DANCE@TALK 長谷川達也

ストリートダンスシーンから、その先にある『出口』を探す2人が対談!!

ストリートダンスから舞台へとフィールドを移し活躍する長谷川達也とストリートダンサーの未来を作るべく動き続けるカリスマカンタローが語る、未来のダンスシーンとは?ストリートダンスシーンから、その先にある『出口』を探す2人が対談!!

長谷川達也:以下H このページは内容が濃くて勉強になるので、プレッシャーかかってます…(笑)。

カリスマカンタロー:以下C ここを真面目に読む人って、本当にダンスが好きな人達だと思うんですよね(笑)。 TAKUYAくんはすごい考えを持っていて、「生活圏は完全に他のものでダンスは趣味という感覚があるから追求できるし、自分のやりたいことが出来る」という話が面白かったですね。僕達はダンスで食べて行きたい人達に対して、このままだと食べて行けないよという考えなんですよ。その前がHIROさんと二木さんだったんですけど、2人の言っている事は対極で面白かったですね。長谷川さんにはDAZZLEでストリートダンスシーンを飛び出して、新たなダンスに関する考え方があると思いますのでその辺りを聞ければと思います。

H 「DAZZLEという団体で食べて行く」というのが自分達の目標としてあります。しかしながら、結成当初は「DANCE DELIGHTで優勝したい」というモチベーションが主でした。他と同じことをしても勝てない。だから自分達なりに独創性を追及していくことに重きを置いていたんです。結果DANCE DELIGHTで準優勝を獲得することができました。目標である優勝ではなかったけど、ある種の達成感を味わい、同時に「今後どうする?」という疑問が湧いてしまったんです。インストラクターやバックダンサーをやりたいという夢も次々と叶ったんですが、それでも満足ができない自分がいて、じゃあどこが成功なんだろうというところで「DAZZLEとして続けていけなかったら意味がない」と思ったんです。そこで僕らが行き着いた答えが舞台作品を創るということでした。カンタローくんも「ダンサーがアーティストとして」と言っていましたが、使い捨てられてしまうダンスの作品がたくさんありますよね。それがすごく勿体無いなと思ったんです。作品として「残す方法」を自分達なりに考えました。そして自分達の表現で1番適しているのは舞台だと思い、現在の活動に移行しました。それらをDVD映像作品として残すことにもたどり着きました。どこが成功かというのは人によって違いますが、パフォーマンスでお金をもらい、DAZZLEという団体でカンパニーとして運営していける事、メンバー全員が生活できる環境を作ることが成功だと今は考えています。それが出来ている団体は残念ながらストリートダンスの世界にはまだいないと思います。

C 僕が「ダンスで食べて行く」という事でこれからのストリートダンサーに伝えたいことは、今DAZZLEがやっているように自分達の振付や音源を作って、映像チームを仲間にして世の中へ自分の作品を出していかなくてはいけないという事です。歌手は制作期間に作った作品の一部が自分のものになります。自分のものとして発表出来て、DVDも出来て、自分のコンテンツで出来るから、自分の収入に直結する制作期間ができるけどダンサーはそうではないと思うんですよ。制作期間は自分の練習にはなるけど、自分のコンテンツにならないと思うんです。自分達の作ったものでファンをちゃんと捉えて自分の収益に結びつけていく方法を考えなければいけません。なぜかというと、本当に自分がやりたい事はファンが増えて、収益体制がとれていればもっと出来ると僕は思います。

H その中でもう1つ考えたのが、ダンスを知らない人を巻き込んでいくことです。そこで自分達の踊りやダンス自体の価値を高めていきたいと思っています。ダンサーがダンサーに向けて見せて技術を高める部分はもちろん大切ですが、それだけじゃ足りないと思っています。世界一の称号を持ったダンサーがたくさん日本にいるのに認知度が圧倒的に低いうえ、収入も他アーティストと比べると少ないですよね。今まで通りの見せ方ではいけないと思い、変えたいと思いました。ダンスの価値を訴える為にはダンスシーンだけでなく、もっと広いフィールドでダンスを知らない人達にも興味を持ってもらえる環境を作るべきだと思い、そういう部分がDAZZLEの活動に繋がっていますね。

C 確かにそうですね。ダンスを知らない人を巻き込んで行かないと価値は高まっていかないと思います。あまり有名でない歌手でも固定で3000人・5000人・1万人のファンがついてることが結構多いんですよ。例えばビジュアル系は、僕らが全然知らないグループでも1万人入る武道館チケットが完売することもあります。ダンサーもそうあるべきだと確信しています。でもダンサーはファンを増やす事をしていないし、そもそも自己表現で楽しいから踊ってるだけなのでそういう考え自体あんまり持ってないんですよね。ただ舞台をやっているダンサーとかがこういう事を考えて行ければ、今までとは違う「ダンスで食べる」が出来るんじゃないかなと思います。

H ダンサーという職業の出口の1つを見つけたいと思っています。ストリートダンスでこれからどうすれば?と考える人は沢山いると思います。今みんな色々なことに挑戦しているし、誰かが道を切り開かなくてはいけない。そこで僕達が取り組んでいるのは「舞台作品をダンスシーン以外でみせること」でした。でもダンサーが抱える悩みは尽きないと思います。ストリートダンスシーンが抱える問題の1つとして必ず出てくるのが音源の問題です。作品として残せない理由は音楽の問題が大きいんです。海外で公演する時も「音源ってオリジナル?」とか「著作権の問題があるから全部オリジナルでお願いします」と言われることもあります。そこは立ち向かっていかなれけばいけない問題だと思います。

C そうなんですよね。ダンサーは「オリジナル音源」にあまりいい意味を持っていないですが、僕は世の中に溢れている音源は絶対に誰かのオリジナルです。例えばマドンナの曲だってマドンナのオリジナルじゃないですか。だからDAZZLEみたいにオリジナル楽曲をどんどん作って「誰の楽曲?」「DAZZLEっていう人で舞台やってるらしい」「行きたい!」となって、ダンスに興味がなかった人がファンになっていけばいいですね。曲先行もありだと思います。僕はオリジナル音源に関するそういう考え方があるのでHighEndではそういった活動をしてたり、GROOVIN/SLASHにも話をしてみて実際に行動に移してたりだったりね。あと僕がNYに行っていた時にDJに言われたことなんですが、「日本人はなんでアメリカのHIPHOPが好きなんだ?好きなのは分かるけど、それをマネしてアメリカに持って来ても勝てないよ」と言われたんです。逆に日本の歌舞伎にアメリカ人が乗り込んで来たら面白いかもしれないけど本物としては見られないですよね。僕がDAZZLEの良いと思うところは、日本にしか無い「和」を使っているという事です。海外からの評価が受けやすいですよね。

H 「和」の舞台作品を上演したのは3年前になりますが、団体として自国の文化をモチーフにした作品を1つは作っておきたいというのがありました。僕達もようやく最近では海外からも評価を受けるようになりましたが、自分達が持っているいくつか作品を海外の担当者にプレゼンした場合「和」の作品を選びます。海外招聘とは文化の交流ですから、「和」であることはそれを決める一つの要素になります。それ以前に僕達のダンススタイルと舞台構成が独創的であることも付け加えさせてください。しかし念願の海外公演を行なえるようになり、生まれた障害が金銭面ですね。国と国をつなぐ文化交流であっても現状、海外公演費用は大体が折半です。芸術水準が高い土地では国が資金をまかなってくれますが、日本では残念ながら価値が低いのでそうはいきません。だから自分達が自腹を切ることになるので、行けば行くだけ赤字になるんですよ。そこで吸収できるものは大きいですし、海外で活躍をした事実に価値を感じる部分もあるので、今は実績を積んで資金が続く限りは海外に挑戦して行こうと思っています。しかし、カンパニーとして収益を考えた時に、影響力やファン数、どれもまだまだ少ないと思います。それを増やすためにできることをしたいですね。来年6年目でようやく再演が出来るようになり、さきほど話した「和」の作品を再演します。公演は僕が舞台化したい物語などのアイデア作りから始まり、その内容にあった舞台構成、曲の発注、照明、衣装プラン、振付などを半年くらいかけて作るんです。半年かけて1週間の公演で終わってしまうんです。こんなに効率の悪い事はないですよね。半年間注ぎ込むからこそ得るものもあるという事も同時に信じてやっています。だから「作品」ということにかけてはストリートダンスシーンでパフォーマンスをしていた時よりも今のほうが強くこだわりがあります。

C 最近、普通のタワーマンションの1階にもホールがあったり展示会やイベントスペースまで作っている所とかがあって、ホールがたくさん増えて来ているんですよね。CDが売れなくなっている中でアーティストとダンサーに違いがあって、物が売れるのはアーティストで、売れないのがダンサーなんですよね。ライブとなると単純にお客集めになるので、そこの勝負となるとダンスだけでも勝負が出来るんですよ。だからここからだと思っています!DAZZLEがカンパニーとして成立したら、こういう出口もあるんだと思う子もいるでしょうし、選択肢が広がると思うんです。「ダンスってこういう事に繋がっているんだ」という事が見えてくれば、ダンサーの考え方はもっと変わると思うんです。趣味で終わらせてダンスを楽しみたいからという考えもそれはそれで良いと思います。ダンスで生活して行きたい、自分でカンパニーや会社を持っている、シーンのことを考えている人は、その人達とは違うベクトルで進んで考えて話し合って行かないといつまでも変わらないんですよね。

H 僕達も学生時代から多くの舞台に出演し、いつかDAZZLEで舞台を創りたいと思ってきましたが出口の見えない中を彷徨って「舞台」を実行するまでに10年もかかってしまいました。未だ実行する手立てがダンス界に明確にはありませんから、そういう風に彷徨っているダンサーはたくさんいると思います。僕自身、ダンスを始めたときはバックダンサーになることがプロダンサーだと思ってました。でも実際やってみたら想像と違っていて「誰も俺のことなんて見てないじゃん。俺はこれを目指していたのかな…」って思ったんです。人にはそれぞれ価値観があるのでアーティストのバックで踊って一緒に作品を作るということに価値を見いだせる人もいると思います。反面、アーティストとバックダンサー注目度の違いに喪失感を感じたり、仕事として割り切っている人も多いんじゃないのかなと思います。そしてそれがダンサーの仕事の最たるものだって認識もきっとありますよね。それもどうなのかなぁとも思います。ただ自分にはこれがダンサーの本当の価値を示す仕事とは思えなかったんです。とはいえもちろん大事な仕事でもあるんですが…。ダンスには価値があると信じているだけに、ダンサーがメインのものがもっとあればいいのにと思うんですよね。だからSony Japanの「リサイクルジーンズ」企画の話など自分達がメインとなって活躍できる場所を作りました。

C 企業にダンサーが起用される事がなかなか無いじゃないですか。継続性があったり、単発の仕事が大きくなって行かないと難しいですよね。タレントさんを使って何千万で動いてるケースもある中で、それと同じようにして「このダンスチームを使うとこういう影響力が出ますよ」「これだけの価値があるんですよ」というところまで持って行きたいですね。AQUOSだったと思うんですが、踊りがくっきり見える映像画面が羽田空港に設置してあって、PINOさんとかHIROさんとかが踊ってる映像が空港降りた時に流れていて「お~!PINOさん!HIROさんもいる!」ってなりましたもん。ダンスは需要がすごくあるのに、どうしても安く見られがちだから企業に売る時に価値付けやエージェント的会社が必要ですね。僕も代理店の人と仕事することが増えて来たけど、代理店の方もダンスには詳しくないので、話をして少し理解してもらった上でクライアントさんに交渉しても、僕等が伝えたい事の2割程度しか伝わってない事がたくさんあるんですよ。結局ダンスのことは分かってもらえないなって思っていて、ダンス専門の代理店が出てこないと先に行くのは難しいかもしれませんね。

H やはり実績がないとなかなか難しいですよね。来年、DAZZLEはテヘラン・イスラエル・ジャカルタ・カナダ・香港などから上演の依頼を受けています。海外で実績を作れれば可能性は広がると思います。今年は世界三大演劇祭の一つと名高いルーマニアのシビウ国際演劇祭より招聘を受けて公演に「いくら赤字になろうとも行かなければなにも起こらない」ということで行って来ました。大小様々な団体が各国から集まっている中、僕達の公演は地元紙に記事が掲載されるほどすごく大きな評価をもらえたんです。観客の中には各国のフェスティバルのディレクターがいたりして、舞台の評判がそういった人たちの耳に入るんことでフィールドが広がっていくのを強く実感しました。赤字にはなりましたが、投資には成功したと言えると思います。最初は大変ですが、1度実績をつくることでその先に繋がって行けるんです。他にも、現地に滞在している日本人には「日本にこういう人達いたんだ、初めて知った。」と言われました。一般の人からしたらストリート畑から出たDAZZLEなんて無名に等しいので、この演劇祭にストリートダンスから派生した団体として参加したのは俺等が初めてだったので、なんとか成功させたかったんです。

C ストリート畑から出て一般の人向けにDAZZLEが動くだけで色んな人に伝えていけるし変わって行きますね。ストリートダンスシーンが進むために1番いいのは例えばCONVOYではないかなと考えた事があります。ファンを取り込むことがすごい上手くて、しかも武道館で出来るあの団体はすごいですよ。歌手や芸人など色んな要素はありますけど、ファンビジネスがきちんと出来ている事がすごいんですよね。今後はDAZZLEもCONVOYみたいになるのか、もしくはカンパニーを築いて自分はプロデューサーになるのかなどを視野に入れつつも自分を中心とした考えがあると良いかもしれないですね。

H そうですね。DAZZLEの踊りやスタイル・名前だったり遺伝子的なものを残して伝えて行きたいなと思うんです。そのためにも自分たちが思う成功とか出口とかを提示できていたいし、自分がダンサーで居続けるのか、そうじゃないのか、そういった道も考えなくちゃいけないですね。歳をとれば体は衰えて行きますが、表現は無限にあると思うので優れたパフォーマンスは存在するはずです。僕は演出家として少しずつ注目されるようになってきたので、ダンサーから演出家へと活動を移行して行くことも自分で模索しています。ダンスって少し前に比べたらすごく認知されてますよね。まだまだ足りないけど、ダンスを格好いいと思う人もたくさんいるとは思うんですけど、僕はダンスに魅了された人間だから、ダンスについて一般の人より分かっているわけで、今世の中に広がっている「ダンスを知らない人から見たダンス」には全然納得出来ていないんです。もっと色んな表現があることや、もっと可能性があるってことを示したいんですよ。技術を高めてダンサーが良いSHOWを作り、でもそれを観るのがダンサーだけという環境ではなくて、それを一歩超えてダンスという方法でいかに多くの人が楽しめるか、心が動くものを作れるか、そしてそれをダンス界以外の様々なフィールドで展開できた時に、僕が常々思っているダンスをを広げて価値を高めることに繋がっていくんじゃないかと思っています。それがDAZZLEという活動の目的の一つで、ダンスってこんなにも芸術的で、エンターテイメントで、非常に優れた文化価値があるんだと思ってもらえるように、舞台を通じて提示していきたいですね。新しい入口を切り開くまでは自分のダンスも磨いていくし、同時に新しいダンスを魅せる場所を作っていきたいと思います。そしてそれが次に繋がるはずだと考えています。

C ただ現状で広げて行きたいと思っていてもダンス業界はダンス界だけでやっていますね。例えばDAZZLEみたいにお金を自分の活動の投資に使って自分達を新しい場所にプレゼンしていくことは大切です。DANCE@HEROはTVを見るお客さんへ、GATSBY DANCE COMPETITIONはアジアへ、MASTERPIECEやTop Artist Auditionは音楽シーンへと、僕達もダンスでみんなを魅了させることが出来ると思っています。だから今ある場所以外でも活躍できる場所を僕は作りたいです。でなければDANCE@LIVEを国技館で無謀にもやりません(笑)。そんな中で僕達は自分達でホールを持つのは夢ですね!それも個々ではなく1回ダンサー全員で集まって「ダンスをダンサー以外の人に魅せる」場所を作らないかという会議はしたいと思っています。年に1度で良いから全派閥関係なく集まって、それぞれの代表が集まって議長もいるような形にしたいと思っています。それ以外でも何か新しいプロジェクトしませんか?という事が出来るかもしれないですし、会議みたいな事をやって話し合うこと、意見を交換する事が必要だと思っています。DAZZLEはどんどん世界で公演をしてファンを増やし、ダンサーが活躍できる場所を増やして行って欲しいと思います。そしてストリートダンスとの架け橋になる存在となって新しい出口を見つけて欲しいです。まずはDAZZLEという世界観を世の中に知らしめることが出来れば次の段階に行けるのかもしれないですね。このまま公演に出続けて行く事も良いんですが、どこかのタイミングで大きな戦略にでなければと思うのですが?

H そうですね。もっと多くの人に認知してもらうためには映像の分野に進むことも考えています。それがインターネットなのか、映画制作なのかはまだ模索中ですが、活動領域を更に開拓していけたらと考えています。これだけ長く諦めずに続けて来た今、ようやくDAZZLEや長谷川達也が認知されてきて、環境は好転していると思います。とはいえ、まだDAZZLEで生活するという目標には遠く及びません。あと数年以内に自分達が思う成功を獲得しなくちゃいけない。舞台をメインに活動している僕たちにとって、それは例えば何万人という人にDAZZLEの舞台を観に来てもらうことで、それを実現させるためにどうすればいいか、必死にあがいて掴み取りたいと思っています。海外で実績をつくるとか、国内で認知されるとか、その為にできる大きな戦略を近いうちに実行しなければいけないのかもしれませんね。