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DANCE@TALK HIRO (ALMA)

DANCE@TALK HIRO (ALMA)

「上手い」より「かっこいい」を目指す

―現在のスタイルに至るまでの経緯、踊る上で大事にしていることはなんですか?

Club DADAを見てZOOに憧れた事がきっかけです。その当時はClub DADAの番組の中で最後にLINE DANCEが出来るというコンテストをやっていたんですけど、途中まで残った中学生が隣の中学校にいるという噂を聞いて、友達伝手に紹介してもらいました。それがSOICHIROでした。
その中に混ぜてもらってみんなで練習してました。最初はHOUSEではなくHIPHOPをやってましたね。HIPHOPが好きでDJもやっていたので俺はかたくなにHIPHOPやってました。
HOUSEをはじめたきっかけは、MAIN STREETでROOTSを見た時に衝撃を受けたのと、高校生の時にNYに行きHOUSE DANCERの踊ってる姿を見てからです。そこからHIPHOPとHOUSE両方をやるようになって今に至ります。
その中で僕が大切にしていることは「上手い」より「カッコイイ」と思われたいんですよね。「上手いに越したことない」と昔から思っているんですけど、カッコイイ黒さやしぐさ、怪しさだったり、形がキレイとかダンスのフォームがキレイとかそういう細かいこだわりを持って踊っています。その中でNYのHOUSEのスタイルを追いかけているのでそれが根っこにありますね。ただそれだけではなくて、ヨーロッパとか色々な国と交流して、刺激を受けて自分なりに昇華してという事を繰り返しています。ヨーロッパは思うがままで自由ですし、FREESTYLE色がすごい強いんです。色々なものに影響を受けてスタイルが少しずつ変わって進化するので、海外のフィーリングを取り入れられていくことでどんどん変わっていけると思います。それを混ぜては削ぎ落して生かし残しつつ、新しいもの取り入れるというところにこだわって試行錯誤してます。
日本のスタイルも様々だと思いますが、やっぱり追求してみると日本のHOUSEダンサーの根源はNYのスタイルになると思います。

―DANCE@LIVEのHIPHOPにも出場するようになりましたがなにか転機があったんですか?

海外はHOUSEというよりHIPHOPを含めてニュー・スクールなんですよ。
どこの国でも代表するダンサーはHIPHOPとHOUSEのどっちにも出ていますし、お互い仲が良いし、お互いのダンスの良さも認め合って分けあっていると思います。
日本もクラブとかイベントでは一緒になるけど、「一緒に活動する」という意識は薄いと思うんです。だから自分が出て行って色んな所で関わって様々なジャンルの人と交流を持てるようにしていきたいと思って。
バトルやイベントに出たり、一緒に練習して色んな人と関わる事が1番だと思ったんです。その中でもバトルが1番伝わりやすくて踊りあえると思ったので出ています。HIPHOPで経験したことがHOUSEで生かされるし、HIPHOP DANCERの目の前で踊るとHOUSEのかっこ良さや難しさがみんなにも分かってもらえると思います。

現在の日本のダンスシーンの傾向

―日本のダンスシーンと海外を比べて何を感じますか?

日本のダンスシーンは大きくなってるいるけれども輪をかけて細分化されてる気がします。ショーケースをメインにしてる人・コレオグラファーで作品を出すだけの人・バトルだけやる人・コンテストは嫌だから出ない人など。
それぞれの価値観があるのはいい事なんですけど。海外は日本ほどイベントが毎日のようにないので、色んなものに関わる事が楽しいと思うんですよ。だから、海外のダンサーは色んなイベントに参加するし興味があるんだと思います。日本はそこを通り過ぎて多くなり過ぎて、同じダンスなのに「これには興味がある」「これには興味がない」とハッキリし過ぎていると思います。
面白いことを考えてもニーズに合わない人達が多いんですよ。海外はカッコ良くても悪くてもオーバーグラウンドでもアンダーグラウンドでも、素直だから見に行って好きじゃなかったら好きじゃないって言います。
良いダンスを見たら「良いダンス見た」という素直な反応を返します。日本は反応を返してくれる実感が沸かないですね。それに元々興味がないから見にも来ないので好きか嫌いかも分からない。この辺が日本と海外の違いじゃないかなと思うんです。
スタジオやイベントは今後もっとコンセプトをはっきりさせて、みんなが自分の意思で行きたいと思う、選べるような形をもっと作っていくべきだと思います。すべての良いところをすこしずつおさえるんじゃなくて、もっとそぎ落としてシンプルにコンセプトをはっきりさせるみたいな。オーガナイズする人もいろんなスタイルがいるから、アノマリーみたいな会社もあるし、いろんな形があると思うんですけど、俺はみんなの意見と逆行してるところがあるんです。
例えば、発表会を見に来るたくさんの人達が、俺達のダンスの本質を見せたい時には来てくれてないと思うんです。それだと俺たちが見せたい本質が届いてない訳ですから、イベントを開いたり、踊ったりしても・・・価値はゼロに近いと思います。そのお客さん達がどうしたら俺達のダンスの本質に興味を持ってくれるのかを考えたら・・・・俺はもう潔く諦めます(笑)。
なぜかというと、この点も日本と海外と違うところだと思いますが、海外は来てくれる人達に寄せて行かないんです。日本はサービス精神旺盛な国なので、どうしてもお客さんに寄せて行きたくなってお客さんを第一に考えます。でもそれがどうも一致していない、空回りしてる気がします。
海外だとそうではなくて自分達が1番かっこいいと思うものなら、「こっちが出来るだけの時間と能力をさいて良い状態のものをただ置くから、来たい人は来い!来たくない人はいい」と、自分のやりたい形を媚びないでそのまま形にしてると思うんですよ。
本来はイベントってそういうものだと思うんですよ。アーティストのLIVEも、その現場にリアルに集まって来る人が本当にそのアーティストを支持してる人なわけで、ダンス界もそうあるべきじゃないかなと思うんですよ。本当にダンス、ダンサーのことを好きでいる人達を集める、ダンスのかっこよさの本質をみせてファンにしていくことが大切だと思います。
これは僕の考えで、だからこそ自分はあまり発表会をやらないしやりたくないんですよ。発表会だけじゃなく、イベントもそうです。より多くの人に来てもらったり参加してもらうために、その場を用意するみたいな。ダンスはすごくいいものだけど、俺らが思っているように一般の人に「ダンスがすごくいい」と思ってもらう為には俺達の意識やクオリティーを下げたら今より悪くなるんじゃないですか?よりたくさんの人に分かってもらう為に、クオリティーを落として行く事をしちゃうと、人は増えるけど本物を分かってくれる人は少なくなるし評論家がいなくなるんです。ダンスはそこまで甘くないですし、簡単じゃないし楽しくないと思います。うまくなったりかっこよく踊れるようになって始めて楽しいと思える・・・リアルはそんな気がします。
ダンスをしてる人みんなが充実してる訳ではないというリアルな事をみんなに教えたいですね。
発表会は一瞬でまとめて作り事をして、お客さんが来て、達成感があって、打ち上げをして・・・仮のダンスの楽しみ方を一気に凝縮してバーチャルにそれを体感できる。自分の力で振り作って、音作って、練習して、イベントを組んでというのを発表会はお膳たてされているなかでやります。
ただ、それをやるまでにどれだけ大変かという事をみんなには分かって欲しいです。そうやって苦労を重ねてこそクオリティや意識が上がると思います。
ある意味これは、ダンスでお金をもらっているプロとしてのプライドかもしれないですね。俺の現場にはそう思ってる人達がたくさんいます。そうやって考える先生と生徒をつなぐのは発表会だけではないと思います。生徒は先生のカリスマ性だったり魅力に惹かれて欲しいですし、先生のファンや本当のサポーターであって欲しいです。そういう人達が増えることで、自然と先生やダンサーのやることに影響力が出てくると思うんです。そういうコミュニティー作りを、特に東京はもう1回やり直す必要があると思います。
今のダンスシーンはLIVEでリアルなダンスの現場に来ているのに何かフィルターを通してまるでTVで見ているかのような引いた目で見てる人が多いんですよ。すごい良いダンスをしても「お~!」とならない。声援もない、盛り上がっていない、これはLIVEではないんです。バーチャルの世界で見て行くとは違う何かLIVEならではの「わくわく感」を作らないといけないんだと思います。
だから、お客さんに媚びたくないというか逆に振るいにかけたいんですよ(笑)。でないと本当にそれぞれがやりたいことが成り立たない。た
だ、人数が多いだけのつまらないダンスシーンになってしまう気がするんですよね。反骨精神でやって来ているのでコンプレックスや悔しさをバネにして燃焼し続けてるんですよ。
だから今のシーンの流れからするとゲリラ的な思想かもしれないですね。世間でダンスは認知されていますけど、知られ過ぎていて逆にすごい下に見られてるんですよね。本物を知らないといけないし、本物をピックアップして知らせる必要があるんです。日
本のメディアはダンスの本質に興味ないですし、この先も変わらないと思うので、せめてダンスの現場シーンはそうはならないで欲しいんです。

一番を目指すことの意味、日本のストリートダンスシーンに必要なものとは?

―現役ダンサー、オーガナイザーとしてここまで動くことが出来るそのモチベーションはどこにありますか?

自分がダンサーとして頑張らなかったらみんなついて来ないんですよね。後ろを振り返りながら行く人と、黙って振り返らずに進む人がいますけど、俺は黙って行くタイプです。ただ、付いて来る人は無視しないし、引っ張ってあげようという意識はあります。
海外に行くとレペゼン日本となるし、色々とシーンのことを聞かれますけど、今日本にダンスを見に来ても全然面白くないと思うんです。特に東京は。
こういうシーンを作った俺らがいけないから、「恥ずかしい」「連れていきたくない」と思ってしまうんです。だから、「日本は面白い」と言えるような環境を作ってあげたいです。
またコンテンポラリーやバレエ・ジャズなど元々アート性があるものよりも、本来はストリートダンスが1番そうであるべきなんです。上手い下手もはっきりと出てしまいます。有名な人はたくさんいますけど、この中で1番になるのはすごく難しい事です。1番じゃないと成り立たないわけではないけど、1番を目指すハングリーさがあるから、ストリートダンスは生き残ってきたんだと思います。
それがなければお稽古事でいいですし、1番になる必要も無い。でもそこにモチベーションを持って行くから進化するんです。勝ち負けではないですけど、意地の張り合いがすごく強いジャンルがストリートダンスだと思います。
何を1番と思うかは人それぞれですけど、先生からオーガナイザーからスタジオ経営から何でも1番になる。自分はその位の気持ちでやっています。それが叶わなくても、目指す事は出来るし、そういう風に積極的にやって行けるバイタリティーのあるダンサーになりたいし、そういう人が増えていって欲しいです。
最近のShu-hei、Yuu、CAZA、YYGなどと次の世代のダンサーもいいダンサーがたくさんいます。俺たちの世代も上手い下手だけではなくて、たくさん経験している経験値があるからこそ今出来ているんので、これからの世代の人達にも俺達以上に経験値を伸ばしていって欲しいです。
引っ張ってあげたいし海外にも紹介したいので、どんどん強くなって選り好みせずに何でも挑戦して欲しいです。今は女の子のハウサーで活躍できている人が少ないので女の子も頑張って欲しいですね。チャンスはいっぱいあります。だからそれを捕まえて欲しいです。
そうやって引っ張って行く人高い意識を強く持っている人がたくさんいないと、どんどんカッコ悪くなる気がするんですよ。スタイルやカテゴリーに関わらず、本物を目指して努力している人に花開いてもらいたいですし、そういう人達が評価されるダンスシーンであって欲しいですし。
そういう世界を作っていきたいと思います。今後はダンサーとかダンスに関わってる人が「こういうの面白いし出来たらいいな」と思っているけど形になっていないもの、現実的に無理だと思うものを形にしてあげたいですね。
商業的ではなくてお金で利益ももらえないかもしれないけど、利益にならなくてもいいからダンスシーンに貢献したいという想いが最近強くなって来たんです。ダンスで海外にたくさん行って、報酬をもらえて生活も出来て、ダンスで成り立ってやっていけてるという実感を持てたときに、ダンス界にもっと自分の労力とお金を使って何かしたいと思ったんです。
利益として考えたら損だとしても、自分がお金払ってでもこれやってよかったなと思えるものをやっていきたいですね。
上手さやレベルの高さだけではなく、世界に誇れるようなストリートダンスシーンを作っていきたいです。