PEOPLE

DANCE@TALK 坂見誠二

DANCE@TALK 坂見誠二

伝説のチームBE BOP CREWに所属し日本のダンスシーンを築き上げ、今回DANCE@LIVE SEASON7 FINALではジャッジ、そしてE.O.Fとしてショーをみせる坂見誠二氏にE.O.Fについて語ってもらった。

まず、E.O.Fを結成されたきっかけは?

俺がNYに行ってるときFutureと知り合いました。Futureがたまたま荷物を運んでくれていて、当時俺は全然知らなかったんだけど話してたら彼が踊っていることを知ってどんな踊りしてるの?と聞いたらHOUSEとウェーブとかって言ってて、実は俺の中で男でHOUSEをやりながらウェーブする奴はセンスのない奴だと思ってたけど、Futureと出会って変わった。練習会があるから来る!?って誘ってくれて、そこに実際行ってみたら不思議なことをし始めて、おれがこれは何?って聞いたら「俺はもともとクイーンズでジャンルにこだわりはなくていいものは何でも吸収するって言ってて、そこにBrianもいて、今度はBrianを見たらウェーブやったりブガルーやったり、足はHOUSEなのに、HOUSEの中に混ぜているというか。最初は何でも踊れるというのをアピールしたいのかなと思っていたんだけど、一緒に練習したり彼のレッスンを受けたりしていてしっかりと彼と話していくうちにこれはここまででこれ以上はHOUSEではないとかそういった境界線を誰が勝手に作ったのか、決まりはないはずだぜって言ってて、もちろんセンスがないと格好良くは見せれないんだけどそれを本当にうまく取り入れて格好よく見せていたのが当時のBrianとFutureだったんだよね。

その時にBrianが言ってたのは俺はチームとかではなくファミリーみたいな感じでいろんなところに仲間を作っていきたいって。こういうOLD SCHOOLだけとかNEW SCHOOLとか関係なく良いものは良い。しかも、混ぜれる奴は自分の混ぜ方してある意味自由だねっていい方してていろんな事を踊りながら試してたらFutureがELEMENTS OF FREEDOMと言い出して、いいよねって話になったんだよね。でも俺達が言いたいのは何も知らずにFREEなわけではなくて全部カテゴリーがわかった上でHOUSEはこういうもんだ、LOCKはこういうものだ、ブガルーはフレックスだって言うのを知った上でそこの垣根にはこだわらない、俺はブガルーだからブガルーしかやらないとかではなく、HOUSEの中にブガルーを取り入れたりロックダンスがビバップ踏んじゃいけないとかおかしいよ、恰好よければいいんでしょ?っていう意味でそういう話をしたり酒飲んだり、飯食ったりしてるうちにできた仲間なんだよね。

FREESTYLEの新しい定義とは?

FREEというのはFREEDOMって意味ではなくてあくまでもちゃんとカテゴリーを知った上で要は表現がFREEって言いたいだけで自分たちが勝手に作ったわけじゃないし全部の事をリスペクトしてるし、Futureだってブガルーをリスペクトしてる。全部自分たちがクリエイティブに作ったものではないからインスパイアされてリスペクトはするけれどもコピーはしたくないという事だと思う。
俺はOLD SCHOOLでもオリジナルに習って来たんだよね、ロックダンスはロッカーズ、GOGOやグレッグ、ブガルーズもポッピンピートやスキーターラビット等全員に習ってきたし知ってるんだよね。でも、今いるOLD SCHOOLのダンサーはちゃんとオリジナルの人たちと話していなくて、オリジナルの人たちはHOUSEもリスペクトしてるし他のジャンルもいいねと言ってるのに憧れてるだけでやってるダンサーはそういう考えを知らないから偏った考えが根付いてしまっているのかなと思う。今あるOLD SCHOOLテイストって中間層なんじゃないかと思う。中間層の子たちは日本人に習った人達だから日本人が正解なんでしょ、まじめすぎて自分の先生がいう事が正しい、ダンススクール文化になってしまってるから、ほかの先生と触れ合うこともないから、自分の先生のいう事しか信じられなくて、先生がこうと言ったらこう!っていう文化になってしまったのが現状の日本のダンスシーンなのかなと思う。結局俺たちの下の世代の子たちの弟子たちは直接的にOLD SCHOOLはこうだとかHOUSEはこうだとか言われる事がなくなって逆にアメリカに憧れて何でも取り入れるようになってきたから今のEOFに近かったり感じるのかもしれない。

今後のE.O.Fの活動

同じ考え方を持ったファミリーを今後は増やして行きたいね。様々な人を入れたりしてお互いのジャンルのケミストリーが出ればもっといいものができてくるはずだし、そういった仲間を集めてE.O.F JAPANを作りたいね。
ウェーブやブガルーがうまいのにそこにHOUSEのステップが入ってきても絶対に面白いと思う。でも今はそういう遊びの場所がなくなったのも事実で昔はDISCOでそういった色んなジャンルの人たちが交流できる場所があったけど今はイベントしかなくてHIPHOPのみだったりOLD SCHOOLのみだったりと、だからいい意味での変な奴は出てこなくなったよね。
すごい人はたくさんいるけど超すごい人はなかなか出てこない。ビルゲイツやソフトバンクの社長みたいに超すごい人は変な人なんだよね。そういう人を作り出していくことも大切だよね。

E.O.Fからダンサーに対してのメッセージ

今回、E.O.Fをやることですべてのダンサーに対してメッセージを送りたい。流行りの踊りしかしないとかいつまでもロッカーズの物真似しかしないとか、LINKの真似とかコピーはどこまで行ってもコピーなんだよね。車の文化で言うと、なんでアメリカのフォードのままなの?日本はコンピューター進んでるんだよ?もちろんアメリカの真似して作った車だけど日本人の性格をむき出しにしてコンピューター詰め込んでもいいし、それでとんでもない車ができて「なんだすごいな日本人は?」ってなってるでしょ。
ダンスもそれと同じでアメリカから来たものでオリジナルの中に自分の考えを取り入れていってもいいと思うし、黒人であろうがアジア人であろうが若手の子たちであろうがどんどん取り入れていくべきだと思う。もちろんリスペクトしたうえでの話だけど。オリジナルに対して敬意を表したままででも自分の考えはこうだという風になっていってもいいと思う。

何も知らずにやってしまうからよくないわけで知識もなくやってる子たちに対してどういう考えでやってるのと聞くと何となくと答えられてもそこに説得力はないわけで説得力を持つためには知識を身に着けて話すべきだと思う。そういった考えでみんながいけば、もっとダンスに対しての考えも楽になるし、クリエイティブにもなってくると思うよ。

地味なステップを踏んで、お客が集まってるのに肝心なところが見えないのがHOUSEだよね、ステージなら別だけど小さいクラブになればなるほど見えないよね。
でもそういった所を変えたくてカンタローはやってると思うし、ただ回り道が違うだけで俺もカンタローも目指してるゴールは同じでただ道が違うだけだと思う。

俺はOLD SCHOOLという道を通ってきたからこれを使わないともったいないし、もちろん歴史を残したい、でもそこが絶対そうじゃなきゃいけないという事をOLD SCHOOLの人にも伝えたい。
OLD SCHOOLの技術は本当に格好いいですよという事も教えたいし、逆に若い子たちにもOLD SCHOOLには楽しいステップがいっぱいあるよという事も知ってもらいたい。60年代のチャチャなんかはHOUSEにも使えるステップだし、ブラジルのサンバのリズムとかも使えるしそういった色んなことをやってる時代にロックダンスはこうだ!とか言ってるのは世界が狭すぎて偏ってしまうよね。

年下とか有名、無名とかそういうのに気を取られるんじゃなくて年下であっても変わったステップをやっていてそれが面白ければ俺は教えてもらうし、昔だったら屁理屈を言っていたかもしれないけど今の俺は若い子からもどんどん吸収したいなと思うし、それを自分のOLD SCHOOLフレーバーに活かしていきたい。
ヨーロッパに行ったときに俺がDISCOダンスをしているとLINKがずっと見ていたんだよね、なんで見てんだろって思ってたら俺のダンスを自分のHIPHOPフレーバーに取り入れようとしてるんだよね。
このやろうと思ったけどLINKでもいいものはすぐに取り入れて自分のものにしよとするんだよね。
俺はこの先も自分のダンスにいいと思ったものは取り入れて進化していけるようにしたいね。