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LAのWaackシーンを築き上げるDisco Queen Kumariが日本初来日!彼女の素顔に迫る!

『日本』が、『東京』が、『L.A』になる。
あの感動をもう一度。

2014年2月8日 記録的な豪雪が東京に舞った日、ラグジュアリーな空間漂う高井戸倶楽部にてYUMI(NEW WAACK CITY)オーガナイズによるWaackerの為のWaackイベント、WAACK IT UP!!! vol.4が開催された。
JUDGEにはアメリカを代表するWaacking Crew、『THE WAACKERS(L.A)』リーダーであるKUMARI SURAJが初来日。アメリカのダンス番組【SO YOU THINK YOU CAN DANCE】へ初のWaacking振付師や、世界各国へのWS、振付師として活躍中のKUMARIが海を越えてやって来るとだけあって、大雪にもかかわらず、会場には150名を越えるWAACK LOVEの人達が集った。

Mens Waack JapanによるショーケースからスタートしたWAACK IT UP!!! vol.4では、そんなKUMARI1人による1JUDGE形式の1 on 1 Battleが開催された。100名近くの参加者が集い、各々のアツいPASSIONとエモーショナルなムーヴをランウェイ方式で表現。1656165_1438342929735774_1237755675_n.jpgKUMARIの心を最も揺さぶった16人が1 on 1 Battleトーナメントの権利を掴むと、それぞれの気持ちをそのWaackに込め、歓声飛び交う激しいバトルが繰り広げられた。中でもひときわ優雅に舞ったJUNKOOが北海道から参戦したIKKUNとの白熱の決勝を延長線の末見事制し、優勝を勝ち取ると、事態はまさかの展開に発展。なんとJUDGEであったKUMARIが優勝者JUNKOOとのバトルを申し出る形となったのであった!! そのバトルはそれこそ会場中が息をする時間さえ忘れてしまいそうな濃密なもので、バトルが終わった瞬間、会場内は2人を称える拍手で満たされたのであった。

この日、スペシャルショーケースには関東を代表するチーム、House Of Flamingo、ネクストジェネレーション、TOKYO FEMALE WAACKERSが出演。

小物の物販やネイルアート、カメラマンによる個人写真撮影会など、イベント会場の随所にワクワクしてしまうようなプチイベントが散りばめられていたWAACK IT UP!!! vol.4。全国より集まった今の時代を創るWaackerが、この先DANCE界にさらなる旋風を巻き起こしてくれることを予感させた。

そして今回、DANCE@WEBでは、WAACK IT UP!!! vol.4のスペシャルゲストとして、日本初来日したDisco Queen KUMARI SURAJにスペシャルインタビュー!


STAFF
本日は、短い滞在期間の中お忙しい所、ありがとうございます。始めにKUMARI SURAJとダンスとの出会いは?
KUMARI SURAJ
3歳の時にフラッシュダンスという映画を見てダンスを始めたいというきっかけになりました。そのフラッシュダンスを見た後に母がバレエもやるようにと進めてくれて、バレエを始め、9歳になってからヒップホップダンスをやりました。その時はカンパニーに所属し、色々な所に旅をしてパフォーマンスをしていました。そして18,19歳でポッピンやブレイキンをはじめてたのをきっかけにガッツリストリートダンスにのめり込むようになったんです。実は父がSOUL TRAINのダンサーだったのですが、わけあって別居していたのでダンスを始めたあとからそのことを知りました。母はダンサーではなかったのですが、すごくソウルフルな人で70年代にディスコにかよって踊りまくっていいて、SOUL TRAINとかで流行っていた服とかを着て出かけたりしていたんです。その当時はその母の姿を見て恥ずかしかしいと思っていたのですが、私がWaackingにのめり込むきっかけにもなったBRIAN GREENのレッスンを受けた時、彼に母と同じようなフィーリングを感じてそこから母のようなフィーリングで着飾ったり振る舞ったりすることに魅力を感じるようになりました。
STAFF
そうなんですね。両親どちらともソウルフルな方だったんですね。今ちょっと名前が挙がりましたが、WaackingはBRIAN GREENのレッスンがきっかけなんですか?
KUMARI SURAJ
80,90年代にすごく流行っていたWaackingなどがゲイダンスということでエイズ等の問題からなくなってしまって、リアルなものをしている人がいなくなってしまいました。そこでブライアングリーンがWaackingを大々的に指導することによっていなくなってしまったレジェンド達を怒らせて呼び戻そうという働きをしたんです。そのレッスンを私も受けて影響を受けました。今アメリカで世界的に有名なWaackerのPRINCESS LOCKEROO、AUS NINJA、BLACK CATはカナダなんですけど、このメンバーは、ワックダンスが再起したニュージェネレーション世代のパイオニア的存在ですが、この人達が最初に受けたレッスンがブライアングリーンのレッスンといわれる程、彼はキーパーソンな存在なんです。
BRIAN GREENがオーガナイズしているHOUSE DANCE CONFERENCEというイベントでそういったアクションを起こしてOGの方々がそのイベントに行くようになったから私もOGのレジェンドと出会うきっかけになりました。
STAFF
そんなWaackingのどこに魅力を感じますか?
KUMARI SURAJ
Waacking is FABULOUS!
OGの方々がもっているフォーリングを通して踊っているんですけど、それを通して自分の個性だとか感情表現だとか人生だったりを表現できるので素晴らしいダンスです。
STAFF
Waackingに魅力を感じてからは、実際にどのように学んでいったんですか?
KUMARI SURAJ
最初はNYにすんでいたんですが、そこからLAに引っ越しました。その理由もLAにWaackingのOGの方々が住んでいて、一人一人にWaackingというのがどういうものなのかを一から学びたかったんです。そして歴史やフィーリング等、そういったものを学び、その上で、先生のコピーのような踊りにはならないように自分自身の表現で踊り、人生、経験、個性をWaackingを通して伝えたいと思うようになりました。
2007~2008年にかけてオリジネーターのShabadoo、Tyrone Proctor、Ana ”Lollipop” SanchezがWaackingというものを1つに統一しようとしていたんですが、その時のWaackerはコピーをしていたばっかりで個性がなくなってしまっていたんです。私はそれは違うと思ってたので、Tyrone Proctorのクルーを外れてTHE WAACKERSという自分のクルーを作り、自由に表現できるように出来る場を作りました。その時はOGの方々とコミュニケーションがとれていなくて色々な問題がありましたが、私はトラブルが嫌いだったので、コミュニケーションの場となるWaackfestというイベントを開催しました。これは毎年夏に行なっています。今はOGの方々とも和解しています。
例えていうなら家族の痴話喧嘩のようなものがおこっていたようなものです。
そういった食い違いがあったときに、同じくOGとなるDallace ZeiglerとVicktor Manoelの2人はダンスだけではない色々な部分をサポートしてくれました。なのでその2人は私の中での恩師だと思っています。OGの中では男性が多い中、Dallace Zeiglerは、珍しく女性Waackerだったので女性としての振る舞いや心持ちなど中身の部分を沢山学びました。彼女は1970年代のWaackingが流行っていた時代にコンテストなどで優勝を繰り返す程の実力者で、しばらくの間姿を消していたのですが、2010年に彼女が突然Waackingシーンに現れ、若い世代に教えてくれてWaacking界のお母さん的な存在となりました。私はダレスがシーンに戻る前に2年間ほど彼女を捜していたのですが、ある日突然、私のレッスンを受けにきてくれたんです。
もう1人のVicktor Manoelは感情的に踊るスタイルでマイケルジャクソンやマドンナ等のバックダンサーをやりつつもアンダーグラウンドでも活躍する両方の世界でいきている人でした。彼はオリジナルWaackerとしてPunkingとWaackingをやっている素晴らしいダンサーで、様々な方に本当のWaackingを教えた人です。
STAFF
今Punkingというワードが出てきましたね。色々な話を聞きますが、WaackingとPunkingの違いについて教えてください。
KUMARI SURAJ
Punkingはアクション、Waackingはリアクションです。例えば水の中に石を入れたとして、石を入れる行為がPunkingで石を入れて飛んだ水しぶき等の反応がWaackingです。マリリンモンローのようなきれいな女性が言葉なしで動きだけで表現された映画があるんですが、そういった感情表現がPunkingだと思っています。
Punkingが生まれた当時はゲイの人達はおおっぴらに自分がゲイであることを世間に告白できない時代だったので、そんな中でそういう感情を表現したのがPunkingのルーツなんです。自分のヒストリー物語を動きで伝えるのがPunkingです。私自身のイベントでパンキングドラマティックというコンテンツがあるのですが、1分間音楽を流して、腕とかの動きをつかわずに感情を表現するというのをやっています。
毎回人格が変わったかのように感情表現をする人が現れるので非常に面白いです。
STAFF
動きを使わない感情表現ってすごく難しそうですね。ダンスを仕事にしようと思ったきっかけは?
KUMARI SURAJ
2004年から世界中でワークショップとか本格的にやり始めるようになったのですが、2008年にNYからLAに引っ越してそこで初めてダンスで仕事をするという意味が分かったきがします。
なのでLAに移住したときがきっかけですね。LAに引っ越す時にすごく不安を感じました。達成できるかという怖さより、何かを達成した後に落ちていくのがすごく怖かったんです。
けど後悔だけはしたくなかったので決心しました。
STAFF
LAにいくことは一大決心だったんですね。今回初来日ということですが、きっかけとなったイベント「WAACK IT UP」はいかがでしたか?
KUMARI SURAJ
私のアジアのダンサーのイメージは動きだけで踊るロボットのようなダンサーが多い印象でした。しかし実際に生で見て、ふれあうとパッション溢れる素晴らしいWaackerが沢山がいてビックリしました。
STAFF
それは良かったです。ではWaackerのみならず、日本のダンスシーンについてはどう思われますか?
KUMARI SURAJ
日本のダンサーは世界でも一流といえるテクニックを持っています。それは素晴らしいですが、それに付け加えて感情だったり音楽の理解度だったり内面的なものをもっとみたいです。やっぱり日本人はシャイな人が多いですよね。人と違うということにトライして殻を破ってもらいたいと思います。アメリカ人はパッションはすごいのですがテクニックが少ない人が多いのでテクニックを持っている日本の人々がパッション全開に踊れればスーパースターになれると思います。私がダンスを始めたときから周りの人達は日本のダンスはすごいといつも話していました。私もパッションが足りないとはいいましたが、日本のダンサーはすごい好きで尊敬しています。
STAFF
日本のダンスシーンといえば、キッズダンスシーンが盛んで、Waackingを踊るキッズが急増していますよね。KUMARI SURAJからみてどのように見えますか?
KUMARI SURAJ
素晴らしいです。
そしてそのキッズダンサーが私たちの年代になった時にどうなっているかがすごい楽しみです。ダンスで仕事をするのかどのように発信していくのかが見所ですね。
すごいテクニックを持っているのからこそ個性をもっと見たいと思います。そして子供だからこそ大人ぶった踊りをしないで子供であるということを個性にしてみせて欲しいと思います。
Waackingは特に感情表現だったりが濃いダンスなので成長と共に感じるものをありのままに出していってその成長度合いをみていきたいです。
STAFF
今後、新しい取り組み等はありますか?
KUMARI SURAJ
5月からインドに住むんです。これは私の5歳からの夢の1つで、私の父がインドのハンジャビという人種なんですが私のルーツとなるその人達と過ごしたいんです。あとインドで流行っているスタイルのボリウッドというのがあってそれの振り付け等をして成功したいと思っています。一番最初にNYに引っ越すときも、LAに引っ越すときも怖かったですし、今回インドに引っ越すのもすごく怖いし、空気とか食事とか環境の違いも不安はありますがこれがずっと夢だったので頑張りたいです。
STAFF
最後に日本の若きダンサー達に一言お願いします。
KUMARI SURAJ
人と違ったことをするのを怖がらないで自分なりのものを作り上げるようにチャレンジして欲しいです。自分の体を使ってどういう風にアートを作り上げるのかを追求し、自分に正直になって自由に解き放ってください。
STAFF
ありがとうございました。

KUMARI SURAJの情報はこちら!
http://kumarisuraj.com/