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Les Twins ロングインタビュー by FISHBOY

2012年8月。前回日本にプロモーションムービーの撮影のために来日をした Les Twins が再度日本に来日をした。今回はDANCE@TVでも放映したインタビューを全文掲載。
なおインタビュワーはFISHBOY。日本でもストリートダンスの枠を超えてメディアで活躍をするダンサーとフランス、アメリカ、日本で世界をまたいでストリートダンスの枠を超えて活躍をするダンサーのインタビューです。

FISHBOY
初めまして!!やっぱイケメン×2ですね。フランスではモデルもやられているとか?
ロラン
ロランそうですね。フランスではネクスト・モデル・マネジメントという世界でも一番大きなエージェントに属しています。アーティスト、モデルそしてタレントとしても活動しています。ファッションショーに参加することもありますしファッションウィークにも招かれています。
FISHBOY
すごいですね~。ところで、なぜダンスを始めたんですか?
ラリー
ラリーダンスを元々始めたきっかけはダンスで自分がもっと進化出来ると思ったからです。モデルをやっているからと言って、ダンスをやめる必要も無いですしストリートダンサーは天職だと思っています。もちろんコメディアン的な要素だったりモデルとしての要素もあるとは思いますが、それはそれでダンスというものが自分達に染みていると思います。
FISHBOY
ダンスで世界一にもなってる訳ですから。自分が、せっかくダンスをやっているおかげでかっこいい人に近づけたと思ったのに元々かっこいい人にやられちゃうと困っちゃいますよね。
ロラン
ラリー
アリガトウゴザイマス(日本語)。
ロラン
そんなふうダンサーの方ににいって頂けることはすごく嬉しいのですが自分達はダンスというものを仕事だとあまり思っていないんですね、もちろん素敵な衣装を着て人前に出られることはすごく光栄ですがやっぱり自分達の中ではどこかステージ上ではない部分というのがあると思っているんです。狂気の部分というのがあって例えばズボンを表裏逆に着てみたり女性用のドレスを着てみたりとかがそういったものが自分達の中にはありますのでそういう部分も出てくるのかなと思います。
Les Twins
FISHBOY
ダンサーを職業としては見てなくLES TWINSはLES TWINSということですか?
ロラン
そうなんですよ!生まれて初めてインタビュアーが答えを分かってくれた気がします。
FISHBOY
おおー!ありがとうざいます。
ではお二人はJUSTE DEBOUT優勝されているとは思うのですが、優勝されて何が変わりましたか?
ちなみに自分も2009年にKITEさんという素晴らしいダンサーと出させて頂いて見事優勝することが出来たのですが、僕は自信がついたりそれによってプレッシャーを受けたりすごく生活が変わりました。
お二人はどうでしたか?
ラリー
そうですね。変わったともいえるし変わってないともいえますね。ロランを見ているとこれまでも一緒に仕事をしてきたしこれからも一緒に踊っていく訳なんですけど彼のように踊れる人は今まで見たことないですしこれからもいないんじゃないかなと日々思っていて、JUSTE DEBOUTを優勝したり色々なバトルで入賞したり出場したりして色々な国にいったのですがJUSTE DEBOUTに関しては日本代表として本戦で優勝したので日本が優勝したということを強く主張したいです。
FISHBOY
そうでしたよね。日本予選に出てましたもんね。優勝しても媚びたりせず踊り方は変わらずありのままの踊りを魅してくれますよね。すごいなと尊敬しています。
ラリー
すごく嬉しいです。というのも自分達自身でも思っていて、人に気に入られる為にダンスを変える気もないですし、今まで自分達の踊りはHIPHOPじゃないと否定されていてその中で認めてもらったので自分達のスタイルを変えてはいけないって思います。ダンスは仕事にならないといわれ続けていたけれど今こうして自分達は仕事として出来ているということもありのままの自分達で生きてきたからこそ生き残ってこられたんだと思います。

自分達が本当に思うのは人に何かを与えるには見返りを求めてはいけないと思うんです。踊りを踊ることによって人に何かを与えられるのであればそれはすごく嬉しいことだけれど、だからといって求められていることを探しながらやるということではないんですね。例えばクリミナルズクルーという自分達のクルーは僕たちの可愛い子供みたいなものなので与えられるものは与えたいと思うんですけども彼らから何かを求めることはないです。LES TWINSとして出来ることを色々な人に与えられるLES TWINSになりたいです。
FISHBOY
STEEZ pioneerなるほど。では少し話が変わるのですが、LES TWINSといえば日本ではSTEEZのCMでおなじみなんですけれども、そのCMはどうでしたか?
ロラン
はい。STEEZのCMに出演させて頂いてすごくいい経験をさせて頂きました。台湾で撮影をしたのですがとてもいい雰囲気で出来て自分達の名前を知って頂けるいい機会になったと思います。
FISHBOY
めちゃくちゃかっこ良かったですもんね。何かトラブルとかはなかったですか?
ラリー
トラブルはなかったですが現場がとても暑かったんです。なので撮影自体はうまくいきましたがすごい暑かったという印象があります。あとは色々自分達でも考えていく部分があったのですが上手く出来たので自分達は学ぶのが早い体質だなと改めて実感出来ました。
FISHBOY
なるほど、暑い中踊るのは大変ですもんね。
ではストリートダンスシーンとメジャーシーンどちらでも活躍しているお二人に聞きたいのですが今のストリートダンスシーンについてどう思いますか?
ラリー
ストリートに大切なことは厳しいということだと思うんです。スタイルではなくその場でダンスをした瞬間に勝負が決まる世界なのでそれが自分達のルーツなのでそれがあったから前に進んでいけると思っています。ストリートダンスシーンがあったからこそトレーニングを欠かさずに生きていくという事を学び、元になっています。
ロラン
自分達はいわいるスター、ビヨンセだったりミッシーエリオット等と共演してメジャーシーンにも片足を突っ込んでいます。もう一方ストリートダンスシーンは世間的には無名な人達とも共演していますが、無名だからといって才能がない訳ではなく才能がある人だったりもいるんです。そんな二つのシーンに入れることはすごくパーフェクトなことだと思います。
ラリー
バトルの世界からメジャーの世界に行ってまたバトルの世界に戻ってきた時に、メジャーのつもりでダンスをしてしまうと非常に痛い目に遭うのでそれは気をつけています。
FISHBOY
なるほど。逆にこのDANCE@TVをみているダンサーはビヨンセやシルクドソレイユ等で踊ってきた中で2人が得たものというのが気になっていると思うのですがどうでしたか?
ロラン
自分達が男であることを主張、証明しなければいけなくて、自分達が一番だということも証明しなければいけない。ビヨンセの尊敬を勝ち取らなければいけないというのは非常に大きな仕事でしたし、それ自体が自分達に大きな経験をくれました。LES TWINSと一緒に仕事をしたいと彼女の方からご提案いたいたものなのでそういった意味でフィーリング的なものはすぐに合いましたし、本当に姉のような存在で三人だけでステージに上がって三人だけでアイデアを練ることがよくあったのですが彼女は自分達と同じくらいいい意味での異常な部分があるという風に思います。彼女のことをモンスターと呼んでいるくらいなので。
FISHBOY
モンスター、すごいですね(笑)。バックダンサーとしてではなくてフィーチャリングダンサーとして対等な立場で会議しているということを想像するとダンサーの未来というものをすごい強く感じますね。2人はそれを先駆けてやっていることだと思います。
ロラン
おっしゃる通り自分達がそういうことを出来たらと思います。自分達のことを偉そうに語る気はないんですが自分達のスタイルというもの自分達で開拓してきたと思っています。例えば子供達が両親にLES TWINSを見てと言ってこれでご飯が食べていけるんだよと説明すれば両親もダンスが仕事になるならもっとダンスをしてもいいんだよという風に言ってもらえるそういう状況を少しずつ作っていけてるのではないかと思います。アーティストとダンサーというものが同等であるというようなリスペクトが出来る状態というのを作っていきたいと思いますし、まだまだ出来ていないと思うのでさっきも言った通りビヨンセのバックダンサーではなくコラボレーションして踊れるダンサーがいるということがアーティストとしての地位を得られることだと思います。
FISHBOY
なるほど。ダンサーがダンサーとして仕事に出来るように活動してくれてるんですね。実際に食べていけるようになると思いますか?
ロラン
可能だと思いますというのも自分達は今現在ダンサーというものだけでなく生きていってますが、子供の頃はダンサーでしかなかったんです。なので可能です。そしてその為には自分がやっていることを愛して根性を持って最後まで諦めないという気持ちがないと生きていけないと思います。そしてダンサーになるモチベーションというのがショーやりたいとか世界中を旅したいとかそういったモチベーションだとしたらそこで止まると思うんです。ですから人と比べることは出来ないですけどダンスでお金を稼ぐということというよりダンスを踊りたいという気持ちだけで自分達はやってきたと思うんですね。ですからそこをモチベーションにしていけばダンスで人生が切り開けると思います。
ラリー
岩山のような険しい道を登っていって頂上についたときには後に続く人達に綱をおろしてあげるというのが大切だと思います。
FISHBOY
すごいいいことになりますね。参考になります。ではなぜ今回来日されたんですか?
ラリー
DANCE DELIGHTに出演するためです。本編に参加する為ではなくゲストショーケースとして出ました。DANCE DELIGHTに出場するダンサーは非常にエネルギッシュなショーをするわけですけど僕らは2人ですが同じだけのエネルギーを皆さんに届けられたらいいなという風に思っています。
FISHBOY
みんな楽しみにしていると思います!では日本のダンサーにメッセージを一言お願いします。
ラリー
どんなジャンルで踊るにしても例えばストリップダンスだったとしても自分が魅せられるものをすべて出し尽くしてください。自分達は朝から晩までダンスのことを考えてダンスだけをして生きています。なので見る目は厳しいと思いますけど、日本の皆さんも僕たちが驚くようなダンスを見せてください。期待しています!!